COLUMN

ウェディングスタッフが見た心が震えたウェディングエピソード6「遅れてきたご両親」

ある日、以前ご結婚式を挙げられた新郎様から、一通のメールが届きました。

「先日は素敵な結婚式をありがとうございました。
正直なところ、両親は結婚式に反対していて来たくなかったのではと考えてしまい、当日はとても不安でした。
でもスタッフの皆さんがたくさん話しかけてくれたから安心して過ごせました。
あの出来事で両親とのが深まったように感じます。結婚式を挙げて本当に良かった」

これは、お客様の気持ちに寄り添い、みんなで創り上げたご結婚式の物語です。

 

ご結婚式当日。
なんとご結婚式の日付を1日間違えていた新郎様のご両親、
電話が繋がったのは挙式の1時間前で、まだ遠方のご自宅にいらっしゃいました。
急いで準備しても、到着するのはご披露宴の中盤です。

そのことを新郎様にお伝えしたところ、
「ほんとバカだなあ~」と笑いながらも、少し悲しそうなご様子。

スタッフは挙式が始まるまで、新郎様の気持ちが晴れるようにと、
ゲストが楽しんでいる様子などを新郎様に伝え続けました。

でも、挙式が始まってもやはりご両親はご到着されません。
そこで、会場にご到着してからご覧いただけるよう、
見逃してしまった息子さんの挙式の様子をiPadで録画しました。

また、進行を変更することをご提案しました。
もともとは、ご披露宴の前半に予定していたケーキ入刀でしたが、
特にご両親に見て欲しいと新郎様がおっしゃっていたので、
後半に入れ替えることにしました。

ご披露宴も開宴し、中盤に差し掛かったころ
「ごめんなさい!」と息を切らしながら駐車場にご両親がご到着されました。

出迎えたスタッフは少しでもご安心いただけるよう、
会場へとご案内しながら、ここまでに起こった出来事や、
ご結婚式のコンセプト、新郎様のご両親への想いをお伝えしました。
するとほっとしたように笑顔を見せてくださいました。

すぐに新郎様のところへご案内しようとしましたが、
「ひとまず、大丈夫です。」と躊躇されたご両親、
息子に何と言葉をかければいいかわからないといったご様子。
そこで一旦ソファにおかけいただき、撮影しておいた挙式の映像をご覧いただくことにしたのです。

新郎様の晴れ姿をご覧になったお母様は
口元をおさえ、とてもうれしそうに涙を流されていました。

そしてご披露宴の後半では、ケーキ入刀をする姿を、
とっても嬉しそうに見つめるご両親の姿がありました。

ご披露宴がお開きになったあと、立ち会えなかった挙式のかわりに、
家族3人だけの静かな時間を取らせていただくことに。

最初はお互い言葉が出てこないものの、
ひとこと、ふたこと続けるうち、
お互い涙しながら、想いを伝えあう姿がそこにはありました。

全てが結んだあと、ご両親からとても嬉しいお言葉をいただきました。

「かなり遅れてしまったけど、世界で一番幸せな時間を過ごせました。
何から何までありがとう。」

 

当日何が起こったとしても、
お客様に寄り添い、考え、スタッフみんなで創り上げるご結婚式は、
素敵な思い出としてお客様の心にのこる。

そう実感した、ご結婚式でした。

RECOMMEND おすすめコラム