結婚して一緒にテーブルを囲むようになると、「食文化の違い」に気づくことが増えるのではないでしょうか。特に異なる地域で育ったご夫婦の場合、料理や味付けに違いがあることも少なくありません。今回はご夫婦でおたがいの地元の味を一緒に作ったり、味わったりすることで、より理解を深められるよう、簡単に作れる郷土料理のレシピをご紹介します。
目次
- 郷土料理とは
- 簡単!手作り郷土料理レシピ10選
- 郷土料理を夫婦のコミュニケーションのきっかけに
郷土料理とは

郷土料理とは、その地域でとれる食材や気候、歴史、暮らしに根ざして受け継がれてきた料理のことです。たとえば東北地方では寒い冬を乗り切るための汁物、九州では地元の魚介や鶏肉を活かした揚げ物や煮物、海から遠い地域では保存の効く料理などがあり、地域それぞれの特色が反映されています。
郷土料理の魅力は「背景に物語がある」こと。単においしいだけでなく、郷土料理とつながった思い出を語り合えるので、コミュニケーションが深まります。親戚一同で囲んだ料理の思い出、親と一緒に毎年仕込んだ保存食、お祭りの定番甘味など、一皿の料理を通して、その人の育った環境や家族の記憶を知ることができるのです。
簡単!手作り郷土料理レシピ10選

「郷土料理」と聞くと、作るのが大変そうなイメージがあるかもしれませんが、意外と手軽に作れるものが多くあります。こちらでは、どこでも比較的簡単に入手できるものを使って作れる郷土料理レシピをご紹介します。
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- 鮭のちゃんちゃん焼き (北海道)

秋から冬にかけてとれる鮭と、旬の野菜を蒸し焼きにして味噌で味付けした料理です。ホットプレートで作ればホームパーティーの一品にもなります。マヨネーズを加えれば、お子さんも食べやすくなります。
https://www.kewpie.co.jp/recipes/recipe/QP10004742/
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- にんじんシリシリー(沖縄)

にんじんをシリシリ器やスライサーなどですりおろして油で炒め、だし汁と塩こしょうで味を調えて卵でとじた料理です。シリシリ器はほとんどの沖縄の台所にあるといわれますが、なければ千切りで代用してもOK。「あと一品」が欲しいときにも助かります。
https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/707862/
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- きりたんぽ鍋(秋田)

きりたんぽ鍋は鶏ガラと調味料で作った汁に炊いたご飯をすり潰したものと野菜を入れた鍋料理。比内地鶏を使うのが本格的ですが、市販の鶏肉やスープでも代用可能。これからの寒い季節、気軽に夫婦で囲みたいお鍋です。
https://www.yukiguni-factory.co.jp/yukiguni-recipe/369/
きりたんぽは市販のものを使うと手軽ですが、フライパンで簡単に作ることもできます。
https://www.nichireifoods.co.jp/media/11016/
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- いきなり団子(熊本)

さつまいもとあんこを小麦粉やもち米の皮で包んで蒸したおやつです。「いきなり」は熊本弁で「簡単・手早く・すぐに」という意味で、短時間で簡単につくれる、急な来客にもすぐにふるまえるのが名前の由来とのこと。
https://www.ntv.co.jp/3min/recipe/20241121/
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- もぶり(広島)

炊いたご飯に干ししいたけ、ごぼう、にんじん、黒豆、さやいんげんなどの野菜を混ぜ込んだもの。広島の方言で「混ぜる、混ぜ込む」を意味する「もぶる」が語源です。おにぎりにすれば色鮮やかでピクニックのお供にもよさそう。
https://www.ja-hiroshima.or.jp/wp/archives/8561/
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- 冷や汁(宮崎)

宮崎県の平野部を中心とする郷土料理で、即席のかけ汁のこと。日向灘の恵みであるタイやアジなどを焼いて使うのが本流ですが、ここでは全国で手に入り手間もかからない「サバ缶」を使ったレシピをご紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=cU0xAljIC1g
(動画のため音量注意)
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- なすそうめん(香川)

香川県の三豊なすと小豆島特産のそうめんを用いて、唐辛子で味を引き立てた家庭料理。三豊なすは、一般的ななすの約3倍の大きさで皮が柔らかい品種ですが、もちろん普通のなすでも代用可。しょうがやネギなどの薬味を加えれば、夏バテ防止にもなります。
https://www.kurashiru.com/recipes/2ba0c148-6c41-499d-99b6-caab1fad8f51
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- 深川めし(東京)

深川めしには、ネギとアサリを味噌で煮てごはんにかけた「ぶっかけ」と「炊き込み」の二種類があります。特に「炊き込み」は、むき身のアサリと炊飯器を使えば、簡単に作れるので忙しい毎日にも気軽に食べられます。
https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/709252/
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- えび豆(滋賀県)

琵琶湖でとれるスジエビを大豆と一緒に甘辛く煮た郷土料理。カルシウムとタンパクが豊富で、保存性が高いため常備菜として作っておいても便利です。スジエビが手に入らなくても、乾燥の桜えびで代用できます。
https://www.ntv.co.jp/3min/recipe/20240202/2/
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- べこもち(青森)

北海道と青森県の端午の節句で食べられていた「くじらもち」が原型。うるち米粉ともち米粉に水と砂糖を加えた生地に色を付けて組み合わせて蒸したもので、金太郎あめのようにどこで切っても美しい断面が表われるハレ食のひとつです。ここでは簡単にできる葉っぱ型をご紹介。
https://www.kurashiru.com/recipes/7c46a396-5112-4051-8bb1-61f6fb0c9ebf
郷土料理を夫婦のコミュニケーションのきっかけに

夫婦で郷土料理を味わうことは、相手の価値観や大切にしているものを理解するきっかけになります。「実家ではこんな味付けだったよ」「わたしの地元ではこんなときに食べた」など、小さな違いを話し合うだけでもコミュニケーションが深まり、自然と相手のルーツを尊重する気持ちが芽生えることでしょう。ぜひお休みのときなどご夫婦で郷土料理づくりにチャレンジしてみてくださいね。
